1026年 1月 後半 兎、雨に打たれて月帰る
- 2022/04/08
- 17:12

一月後編です。
ウツキ、当主交代の時です。

ん~...ウツキは誰に渡すんだろうかと考えたんだけど、ウツキはなぁ...お前らで勝手に決めろってなりそうというか...
ぼろぼろで帰ってきて、最初に会った一族の誰かに渡すんじゃないかな...当主になれと言うわけでもなく

もしこの四人が選ぶとしたら、目冥な気がする
上2人はならないだろうし、実風よりかは目冥な気がする、それだけ

イツ花、あんまり相談とかウツキにされなかったんだろうな
抱え込む男だからな

ウツキ、あんまり強くなかったけど髪切り世代と言えるんだよな
周りを使うのが得意だったというわけじゃないんだけど、多分進むという選択肢が出来る男だったと思う

めちゃくちゃ周りに嫉妬してるし憧れてた。
自分にはなんにも無いって思ってたんだよな
指輪以外は

指輪だけが、彼の中の自分の価値だったのかもしれない
唯一無二の当主である、当主に選ばれたということが彼のアイデンティティだったかも
だから髪切りを決行出来たのかもしれない。

華々しい戦績なんだよな...でも足りないんだよな
満足出来ない。
全て、7代目当主、空色一陽のものだから
自分が成したものだと思えない。周りの力で進んできたと感じてるから。

最後に、兎月を連れて2人でボスに挑んだのは足りないから
...彼はさ、氏神になれるだろう子なんだよな
素質がそうだから、としか言えないんだけど
そういうもので氏神は選ばれていた
だから先代、夕傘は選ばれなかった。
あいつの方が慕われていた
あいつの方が、あいつの方が
でも神が選ぶのは俺なんだろう。
...戦果が欲しかった。
俺が素質なんかじゃなくて、俺自身が成したことが選ばれる理由になりたかった。

何を、誰に遺すんだろうか

...めっちゃ、当主みたいなこと言うなと思った
そうか、本当にそれしかなかったのか
そうか...

目冥...



ん...

そうだね


いや、うん...

空色ノ富士
なんか、めでたい名前というか
こいつずっと上ばっか見てたんだろうな
目冥が、うんと言わなければ彼は氏神にならない
....祀る
多分それを望むのは目冥じゃなくて

こいつ

ウツキばっかりだったな彼の人生
最初にさ、手を引かれたのが全てだったんだろうと思います。

ウツキが自分に対して嫉妬とか、そんな感情しかなくて、友情とか信頼だとかそんなものは欠片も無いんだって知ってた
幕間でも言ってたけど
それでもいいから、何か1つだけくれよ

一緒に死んでくれ、それも叶わなかった
いや正確には彼の望むようには、かな

一族も、当主も、呪いも、復讐も、関係なく
ウツキだけでよかったんだよな
でも彼はウツキが苦しんでるのも、辛いのも関係なかった。
だから彼はウツキを助けようとしなかったな

...なぁ~、兎月なぁ...なんにも言えないや

うん、ウツキに対して望むだけだったこと
自分でも分かってたよな
自分がクソ野郎だってだから言ったんだろうな
運が回ってきたのは、最期だったな、


来たよ

うん


来たよ...
だからウツキを祀るように言ったんだろう

摩多羅空色
摩多羅神から来てるかな

祀るよ、それが望みなら

そうかぁ...
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